アトレークラブTOP -> アトレーの歴史menu

3代目アトレー

3台そろい
天晴、MX、RTと基本顔そろい

3代目アトレーの歴史
 1994年1月フルモデルチェンジ
 1995年6月特別仕様車 天晴登場
    ムーヴ登場 売れ行き悪化・・・。
 1996年1月マイナーチェンジ(ツインカムエンジン搭載、RTシリーズ登場)
 1996年10月特別仕様車 RTリミテッドシリーズ登場
 1997年1月マイナーチェンジ(ツインカムターボエンジン搭載)
 1997年10月マイナーチェンジ(クラシックシリーズ登場)
 1999年1月4代目にフルモデルチェンジ
特徴
・ネーミング

 ハイゼットアトレーから正式にアトレーが車名となりました。
 (先代660ccにマイナーチェンジ後、アトレーと車名表示はされていたが・・。)
 アトレーと車名変更されてはいるものの、操作説明書はハイゼットと共通です。
 車両形式はハイゼットと異なり、S120VとS130Vと分けられています。
 これはS100が後輪駆動リアリーフサス、S110が四輪駆動リアリーフサス、S120が後輪駆動リアコイルサス、S130が四輪駆動リアコイルサスと分けられたことによるものです。

・グレード

 乗用をメインとしたことで、4ドアのリバーノシリーズと従来の5ドアシリーズの2本立てとしてデビューしました。
 貨物ナンバーながらリアスライドシート、リアシートベルトなど乗用にふさわしい内装。
 それぞれにNAエンジンとターボエンジンをラインナップしています。
 AT選択可能モデルが拡大され、ライバルは1999年まで装備不可能だったABSやリアシートベルトなど安全装備が装備可能でした。

 リバーノシリーズには、ガラスルーフのコスミックルーフ装備グレードを用意し4ドアでフルトリムの内装、リアシートベルト装備など乗用をメインに振っています。
 MXシリーズは商用&レジャーを基本とし5ドアで格納タイプのリアシートを装備していました。
 翌年お買い得仕様として、リバーノGと天晴がラインナップ。日本語のグレード名でインパクトの強い天晴が登場したのです。
 2年後のマイナーチェンジでRVブームからRVとスポーティ要素を加えたRTシリーズをラインナップ。リバーノ、MX、RTと3本立て体勢となりました。
 1997年後半にはクラシックブームに乗ってクラシックシリーズが登場。アトレーはリバーノ、天晴(MX)、RT、クラシックと4本立て体勢と変遷していきました。
グレード名NA時期シリーズ価格 2WD5MT/2WD3AT/4WD5MT/4WD3AT説明
LX1994.1〜1995.12MX 955,000('94)--------- かつての最上級グレードも一番下のグレードとなってしまいました。ビジネス仕様ということで、装備が簡略化されています。先代から20万円値下げされました。(先代LXが高過ぎ・・) 無塗装バンパーが響いたのと天晴ラインナップにより消滅
MX1994.1〜1995.12MX 1,146,000('94)1,210,000('94)1,268,000('94)1,332,000('94) 先代のクルーズ後継グレード。アトレーの量販グレードでエアコンとカセットオーディオが標準装備。途中からお買い得グレードの天晴が設定され、天晴の正式グレード化と共に消滅
天晴1996.1〜1998.12MX 1,065,000('98)1,129,000('98)1,190,000('98)1,254,000('98) MXの後継グレードとしてアトレーの中心グレードになりました。パワステ、オーディオ、エアコンが標準装備され値下げされています。NAのアトレーならこれが一番のお買い得グレードです。
RT1996.1〜1996.12RT      MXをベースに専用エアロパーツとデカールで外装を纏っています。このグレードだけNAで唯一13インチホイールを標準装備しました。
RTリミテッド1997.1〜1998.12RT 1,150,000('98)1,214,000('98)1,275,000('98)1,330,000('98) RTのマイナーチェンジ。メッキカリフォルニアミラーになり派手さがアップ。ホイールは12インチに戻りました。
クラシック1997.10〜1998.12クラシック 1,155,000('98)1,219,000('98)1,280,000('98)1,344,000('98) 専用フロントマスク、メッキパーツ、専用ボディーカラー、内装は木目パネルにホワイトメーター、皮シートなど高級感のある内装を装備、キーレスも標準装備
リバーノ1994.1〜1995.12リバーノ 1,201,000('94)1,265,000('94)1,323,000('94)  フルトリムの内装、リアシートスライドなどを装備。マイチェンにより装備変更でリバーノ天晴となりました。
リバーノ天晴1996.1〜1998.12リバーノ 1,178,000('98)1,242,000('98)1,303,000('98)1,367,000('98) リバーノのMC版リアシートスライド、リアシートベルト、フルトリム等が削減され、パワステ、パワーウインドウ、パワードアロックなどが標準装備された。
リバーノツインコスミックルーフ1994.1〜1998.12リバーノ 1,351,000('94)
1,304,000('98)
1,415,000('94)
1,368,000('98)
1,473,000('94)
1,418,000('98)
 
1,482,000('98)
最初から最後まで唯一生き残ったグレード。リバーノの天井をコスミックルーフにしたグレードです。内装はフルトリムなど高級感が高いものでした。マイチェンによりシートスライドとリアシートベルトが無くなりました。
グレード名ターボ時期シリーズ価格 2WD5MT/2WD3AT/4WD5MT/4WD3AT説明
MXターボ1994.1〜1996.12MX 1,287,000('94)1,351,000('94)1,409,000('94)--- ターボの量販グレードのターボ版。初期の4WDは3ATが選択できませんでした。量販グレードであるためにタイヤは12インチホイールでした。
天晴ターボ1997.1〜1998.12MX 1,239,000('98)1,303,000('98)1,364,000('98)1,428,000('98) MXターボのマイナーチェンジン版。4WD3ATが追加され、パワステ、エアコン、パワードアロックが標準装備され値下げされています。アクティブスポイラーが標準装備されています。
クラシックターボ1997.10〜1998.12クラシック 1,315,000('98)1,379,000('98)1,440,000('98)1,504,000('98) クラシックのターボ版。内装外装ともにクラシック専用パーツを装備しています。ターボは13インチホイールを装備
SR1994.1〜1996.12MX 1,427,000('94)---1,549,000('94)--- エアロパーツ、4スポークステアリング、SRデカールなど先代ターボXXの後継グレード。4WD5MTはマルチセレクト4WDシステムを装備。5MTしか設定されておらず、走りのグレードでした。後にRTターボへ変身。
RTターボ1996.1〜1996.12RT      SRの後継グレードで、カリフォルニアミラーや専用バンパー、デカールなど派手さアップしました。3ATがラインナップされました。4WDはマルチセレクト4WDシステムを装備
RTリミテッドターボ1997.1〜1998.12RT 1,420,000('98)1,484,000('98)1,545,000('98)1,609,000('98) RTターボのマイナーチェンジ。メッキカリフォルニアミラーになり派手さがアップ。しかし内装は大幅簡略化されコストダウンされています。4WD5MTはマルチセレクト4WDシステムを装備
リバーノターボ1994.1〜1997.9リバーノ 1,472,000('94)1,536,000('94)1,594,000('94)1,658,000('94) アトレーの最上級グレード。リアシートスライド、ツインコスミックルーフ、パワステなど快適な装備が充実していました。晩年はアクティブスポイラーを装備。値段の高さから1997年10月に消滅しクラシックターボへ変身
特別仕様車時期シリーズ価格 2WD5MT/2WD3AT/2WD5MT/4WD3AT説明
リバーノG1995.1〜1995.12リバーノ      リバーノのお買い得グレード。リアシートスライドを省き、格納タイプのリアシートを装備。
天晴1995.6〜1998.12MX      MXのお買い得グレードとして登場。、日本語のグレード名はインパクトが大きかった。後に正式グレード化されました。
RTリミテッド1996.10〜1996.12RT      RTの特別仕様車として登場。外観パーツのみ変更
RTリミテッドターボ1996.10〜1996.12RT      RTターボの特別仕様車として登場。外観パーツのみ変更

・デザイン

 
S80系やS220系と異なりダイハツ社内デザインで製作されました。
S80系がデザイン重視した為による弱点である室内空間の拡大とライバルと比較して室内が広い空間を実現するデザインの両立で設計されています。
四角いデザインであるもの、良く見るといろいろな場所にRが掛けられ曲面を多用しています。
フロントマスクはエアコンユニットを格納する関係上フォグランプ内臓が出来ずに船型のヘッドランプを採用。ウインカーをドア部に用いてフロントノーズを長く見せるなど細かい部分で大きく見せるデザインを採用しています。

当時の2Lクラスワンボックスはリアは片側スライドドアだった為、4ドアのリバーノが登場し高級感と快適性と乗用としての安全性(シートベルトや車道側に降りれない)を強調していました。
翌年のムーヴが5ドアで登場し右側にドアがあって便利で売り出しリバーノが否定されたた事になっていました。後に2Lクラスも両側にあるのが便利となり、片側は消えつつあります。
アトレー120V リバーノターボ SR
RTシリーズ
1995年にはムーヴが発売され、アトレーの商品強化が必要となりました。ムーヴは大ヒットしましたがアトレーとミラのユーザーを奪ってしまったことになります。
当時はRVブームだったこともあり、SRグレードをRTグレードに変更しフロントバンパーをグリルガードをイメージしたエアロタイプに変更しています。当時は思い切ったデザインでしたが、後のタントカスタム等に通じるデザインです。

クラシックシリーズ
スバルサンバークラシックに始まるクラシック風モデルの流行で、アトレーにもクラシックスタイルの車両が追加されました。
フロントパネルを専用としボディカラーも専用カラーとなっています。
スバルサンバーと共に通常グレードと異なるフロントパネルや専用カラーを採用しました。
(スズキエブリイ、三菱ブラボーはメッキグリルだけの簡易的なものだった為、不人気でした)

・カラーリング

ホワイト (W09) 1994.1〜1998.12
サンプル
基本カラーでカラー番号は今までのモデルと共通の色番号を使用していたようです。
 採用グレード:LX、MX、天晴、SR、リバーノシリーズ、RTシリーズ
グリニッシュシルバーメタリック (G17)1994.1〜1996.12
サンプル
シルバーは緑色が混じったものを採用していました。
 採用グレード:LX、MX、天晴、リバーノシリーズ、RTシリーズ
ブルーマイカ (B32)1994.1〜1998.12
サンプル
先代モデルから継続してラインナップされたブルーです。一番の人気カラーでした。
 採用グレード:MX、天晴、SR、リバーノシリーズ、RTシリーズ、クラシックシリーズ
ターコイズマイカ1995.1〜1995.12
サンプル
自動車ではあまり採用例のない色です。ツートンでないターコイズボディーも存在するようです。
 採用グレード:天晴(特別仕様車)
ローズワインマイカ (R21)1996.1〜1998.12
サンプル
RTシリーズ用と共に復活した赤色。今回は殆どのグレードで赤色を使用可能となりました。
 採用グレード:MXターボ、天晴シリーズ、リバーノシリーズ、RTシリーズ
ライトブルーメタリック (B35)1997.1〜1998.12
サンプル
約10年ぶりに復活したライトブルーメタリック。緑系から水色系のシルバーに変更となりました。
 採用グレード:天晴シリーズ、リバーノシリーズ、RTシリーズ
ベージュメタリック (T10)1997.10〜1998.12
サンプル
クラシック専用カラー ベージュは金色が混じった感じでクラシックの高級感を盛り上げています。
 採用グレード:クラシックシリーズ
ダークグリーンマイカメタリック (G25)1997.10〜1998.12
サンプル
クラシック専用カラー カタログでは地味だったために、ベージュとブルーマイカに人気が集まっていた。
 採用グレード:クラシックシリーズ
ターコイズマイカ&
グリニッシュシルバーメタリック ツートーン (NB9)
1994.1〜1996.12
サンプル
アトレー登場時のイメージカラー。珍しいターコイズマイカと緑系のシルバーがバランスよくマッチした綺麗なカラーです。
 採用グレード:MX、天晴、リバーノシリーズ
ブルーマイカ&
グリニッシュシルバーメタリック ツートーン
1996.1〜1996.12
サンプル
ブルーマイカと緑系のシルバーの組合わせ。青が目立つカラー
 採用グレード:MX、天晴、リバーノシリーズ
ブルーマイカ&
ライトブルーメタリックツートーン (B32/B35)
1997.1〜1998.12
サンプル
シルバーカラーのマイナーチェンジでツートーンカラーも変更。ライトブルーにとなったことで同系色のツートーンとなりました。
 採用グレード:天晴、リバーノシリーズ
ライトブルーメタリック&
ターコイズマイカ ツートーン
1997.1〜1997.9
サンプル
カタログ映りが歴代アトレーで一番悪かった色です。あまりにレアカラーすぎて出まわっている台数は少ないです。
 採用グレード:天晴、リバーノシリーズ

・内装

リバーノ内装
リバーノ内装

バブル時期に開発されていたことがあり、乗用車っぽい雰囲気と質感は上質感が高い設計となっています。プラスチックトリムは緑がちょっと入ったようなダークグレー系でL700系ミラジーノとほぼ同じ暗めのトリムを採用しています。
内装はリバーノシリーズ、MXシリーズで区分けされており、リバーノシリーズは乗用を意識し高級感のある内装でフルトリム、厚めのカーペット、ドア内張りにファブリックを貼るなど高級感に溢れていました。
特徴的なのはリアシートでフルフラット格納出来ませんが、軽1BOX系4ナンバー初のリア3点式シートベルトが標準装備、リアシートスライドなど完全に4人乗りとして作られていました。
MX系はビジネス用途も考慮しAピラー以外は金属部分が剥き出しで質感は劣りますが、リアシートのフルフラット格納など使い勝手を重視しています。SRはスポーティモデルとしてシートに専用バッチ、ミラTR-XXと似た専用4スポークハンドルが装備されていました。
リバーノシリーズ以外は先代クルーズ後期がフルトリムだった為、コストダウンが感じられ、リバーノシリーズとの内装の差は歴然でした。

シートアレンジ
 
SR 
 走り重視のSRの内装
 アトレーの内装は完全フルトリムでなかったものの乗用車に近いものとなっており、同時期のライバルよりも乗用車色が強くなっています。
 ポケット類が少ないのが弱点ですが質感は高いものでした。
 操作系は手が届きやすい範囲に纏められており4WD切り替えスイッチがインパネに移動されています。
 メーターパネルはターボ仕様は透過式を採用して見やすくなりました。
 (1996年以降は従来と同じく半反射式に戻っています)
シートアレンジ

RT 
 流行に合わせたRTの内装

スズキからワゴンRが登場し、軽乗用車と軽1BOXの中間的な新ジャンルが開拓されました。軽乗用車と軽1BOXの良いところが混じっている(逆を言えば弱点も混じっているが・・)し軽1BOXよりも安くて燃費が良いということで、ダイハツからムーヴも登場し共に爆発的なヒット商品となりました。
この影響はどこに出たかというと、ミラとアトレーの販売台数の激減につながったのです。アトレーは高くて売れない。と言うわけでコストダウンが始まりました。
リバーノシリーズはリアシートの格納が不便と言うことでリバーノターボ以外はリアシートスライドを省き5ドアと同じフルフラット可能シートにリアシートベルトも外されました。
さらに後期のリバーノターボはシート全体がファブリックでしたが、座る面以外はビニール化などコストダウンがされています。
後に追加されたRTシリーズもほぼ共通の内装でした。RTを含むMX系の内装は基本的に変化がありませんが、見えないコストダウンが施され、97年以降はリアのデッキサイドポケットが省かれたりカーペットが薄くなったりなど荷室部分はハイゼットと変わりない位になってしまいました。
SRはRTターボとなりましたが、4スポークステアリングは残っていました。しかし97年から普通の3スポークハンドルに戻されています。

オーディオは、カセットステレオが殆どのグレードで標準装備されていますが、RT、RTターボのみオーディオレスで販売されました。

見た目はコストダウンされていますが、見えないところでは、パワステが初期はリバーノターボのみでしたが、後半は標準装備グレードが増え、最終的には全グレード標準装備、エアコンも全車標準装備化されました。後からつけるよりも標準装備なので、実際の快適性はアップしているのです。


クラシック 
 クラシックの内装
 97年末に追加されたクラシックシリーズは内装の基本はMXシリーズと同じなものの、外装に合わせた内装を装備するようになりました。
 合皮ですが皮シートを軽1BOX初採用、インパネに木目パネル、メーターはホワイトメーターなど内装の見た目はMX系と比べ豪華になっています。
 同時期に出たミラクラシック、オプティクラシック、ムーヴカスタムと同じく木目のインパネやホワイトメーターを採用していました。
 皮シートは軽1BOX初装備で現時点でも唯一です。
 同時に利便性アップでキーレスエントリーを初装備しています。

・安全装備
リアシートベルト

ABS

 旧規格軽1BOXでライバルには存在しないアトレーだけの安全装備があった。

・リアシートベルト標準装備グレードの設定
 リバーノシリーズ全車に標準装備されました。
 (1996年以降はリバーノターボ以外オプションへ)
 標準装備でないグレードはメーカーオプション(12000円)で装備可能でした。
 他メーカーは1999年以降の新規格でやっとオプション設定されました。

・ABS標準装備グレードの設定
 SR、RTターボ、RTリミテッドターボは軽1BOX初のABSを標準装備しました。ダイハツ軽自動車で初装備です。
 ターボ車の一部はABSをメーカーオプションで装着可能
 他メーカーは1997年以降のサンバーディアスの4WDスーパーチャージャー車でオプション選択可能でした。

・ターボ車やNA・AT車は7インチブレーキブースター、ABS付は8インチブレーキブースター装備
 当時の軽自動車最強のスペック。現在でもバモスはたったの6インチなので、初期制動力を強化していた。
 タイヤが大きく重くなったので、強化されています。

・LSPV
 全車標準装備。荷室の積載状況によってリアのブレーキ圧をコントロールしています。
 現在はEBDなどで注目されているが10年前に軽自動車でアトレーが先行採用

・フロントアクティプスポイラー
 1996年以降のリバーノターボ、MXターボ、天晴ターボに標準装備。
 NAグレードは天晴、リバーノシリーズでメーカーオプション設定されていました。高速走行時の安定性アップしています。
 
 70km/hで自動的にスポイラーが降りてきて、50km/h以下になると収納されるようになっています。
 RT系は純正で下まで伸ばしたスポイラー付フロントバンパーの為装備されなかった。

アクティブスポイラー

・メカニズム
マルチセレクト4WD  パートタイム4WD

 ミッションは5MTを基本とし、従来はNAのみだった3ATをターボ車でも採用された。3AT車はODが無いために2WD車はファイナルをややハイギアード化している、
 5MTはFR車初のプリプットダウン式トランスミッション採用で新次元の走りを提供している。(私にはどう違うのかあまりわからんかったが・・・。)

 4WDシステムは3種類用意されていた。
 多くのグレードはパートタイム4WDを採用。AT車とEF-RS搭載のMT車に搭載されています。
 副変速機を用いたパートタイム4WDはNA車とEF-TS搭載のMT車に搭載されています。コストダウンの影響で副変速機を持たないパートタイム4WD方式が後期は増えました。
 SRとRTシリーズのターボ5MT車にはマルチセレクトタイム4WDが搭載され、2WDモード、4WDモード、4WDセンタデフロックモードの3モードから選択可能となっている。
 センターデフを装備することでタイトブレーキング現象が発生せず快適な4WD走行が可能となっており、デフロックすることでパートタイム4WD並の走行性能がある。
 省エネの為の2WD走行モードがあるのが実用的であった。後にMAXで採用したサイバー4WDシステムよりも高級なシステムであった。後にテリオス、テリオスキッドに装着された4WDシステムの元となっている。ただしこちらは2WDモードが無いので廉価化されている。S82系ではオールタイム4WDの名称で採用されていた。
 先代から継続してリアデフのロック機構がオプション設定可能となった。これは機械的にリアデフをロックすることでLSD以上の駆動力アップを得て、1速、後退のみで作動することからLSDによる走行時の転倒予防を兼ねている
 マルチセレクト4WDは設定グレード以外でも前期モデルでABSを装着した4WD車はパートタイムからマルチセレクトへシステムが変更されていました。

 足回りはフロントマクファーソンストラット、リアは3リンクコイルサスペンションである。
 コイルサスを採用することにより、リアの積載耐久性は落ちるが乗り心地と高速走行時の安定性向上を行っている。
 ホイールベースが1800mmから1900mmとやや延長され3.6mから3.8mへと最小回転半径は大きくなってしまったが、スペック上はライバルと同等であった。(最小は三菱ミニキャブとなった)
 ホイールベースが延長された為、旧型に比べると小回りは利かなくなったが、走行安定性がUPしています。

 ブレーキは全てのグレードにフロントにディスクブレーキを採用し、ブレーキブースターはNAで6インチを採用。ターボ車は8インチブレーキブースターを採用した。
 SR、RTターボ、RTリミテッドターボは標準で軽1BOX初のABSを装備し、8インチブレーキブースターを装備していた。
 全グレードにLSPV(リア応加重ブレーキ調整装置)を採用し、荷室の積載状況に応じてリアのブレーキ圧をコントロールする機構を備えブレーキ時の安定性を高めている。EBDのような電子制御ではないがブレーキコントロール機構を軽自動車で初採用したのである。
 1996年には軽自動車初のアクティブスポイラー装備し安定性をアップさせています。

・快適装備
ルーフ
ルーフ
ガラス
ルーフ  
 リバーノシリーズにはガラスルーフが採用されました。先代のスーパークルーズに採用された電動ガラスルーフと同じ大型で前席はチルトアップ、後席は電動でオープンします。
 夏場の直射日光予防にサンシェードは格納式です。またルーフファンも装備し空気の循環も可能でした。
 縦長の敷居は珍しい形状ですが、対面対座シートにした際に頭がぶつからないように配慮されたものです。オプションでカーテンも設定され電動で開閉可能です。開閉速度はわずか1秒です。
 リバーノシリーズは防幻式ルームミラーを採用しています。
 1996年に登場したRTシリーズはクォーター、リアウィンドウの3面のプライバシーガラスを採用しました。
 1997年からはリバーノシリーズ以外はリアドアより後ろ5面はプライバシーガラスとなりました。
 リバーノシリーズのみブロンズガラスを採用し他は透明ガラスでしたが、1996年からは全グレードでグリーンガラスの採用に変更されています。

 パワーウィンドウは基本的にメーカーオプション設定でしたが、リアドアを含めて操作可能となっています。
 手動操作の場合、リアウィンドウは安全の為に途中で止まるストッパーが設定されましたが、一度止まった後に半回転戻してから回転すると全開可能となっています。(他社はストッパーつまみ操作など手間がかかるので不便)

 パワードアロックもオプション設定でしたが、マイナーチェンジで一部のグレードに標準装備され、クラシック系はキーレスエントリーを軽1BOXで初めて標準装備されました。キーレスエントリーは前期モデルからディーラーオプションで取付可能でした。

・エンジン

 エンジンは先代S82系アトレーで使用したエンジンをそのまま使用している。
 NAエンジンはEFI化によるパワーアップを行っている。
 ターボエンジンはスペックに変化はないが、ターボのフィン形状を変更しエンジン特性を低速寄りでトルクが出るようにしたようである。K-Carスペシャル誌のゼロヨンタイム計測で19秒台に入っている。三菱ブラボーに劣っているが軽1BOXでは新規格を入れても歴代3位(1,2位はブラボー)である。
 96年にムーヴ登場と同時にツインカムエンジンがNA車に採用され、MTはキャブレター、ATはEFIと異なるエンジンを搭載した。MTの場合はエンストしにくく粘りを出すためにキャブレターを採用したと思われる。
 EFIのセッティングは2000回転以下ではキャブレターより粘りがなくエンストしやすい。アトレーのATはギア比が低く、ブレーキを緩めに踏んでいた場合誤発進する危険があるために。あえて弱めていると推測されるが・・。
 97年にはツインカムターボエンジンが登場しエブリイターボに続いてトルクが10.0km台に乗った。トルク感はEF-TSよりアップしているが、吹け上がりの爽快感は若干劣っている。実感ではEF-RSの方が速いので、K-Carスペシャル誌のゼロヨンタイム計測が無くなったのが惜しまれる・・・18秒台は確実か?
 ミッションの1速ギア比も変更されダッシュが速くなり運転もしやすくなった。

エンジン形式一覧
EF-ES型660cc 3気筒 水冷4サイクル
SOHC12バルブEFI
排気量659cc、圧縮比9.8、ネット44/6100、最大トルク5.9/3600、燃料タンク40L
1994〜1995に採用されたNAエンジン。12バルブEFIエンジンをNA車は全車採用した。
EF-GS型660cc 3気筒 水冷4サイクル
DOHC12バルブ
排気量659cc、圧縮比10.0、ネット44/5900、最大トルク6.0/4400、燃料タンク40L
1996〜1998に採用されたNAエンジン、新開発のDOHC EFI 12バルブを採用しキャブレターでMT車専用としている。
EF-ZS型660cc 3気筒 水冷4サイクル
DOHC12バルブEFI
排気量659cc、圧縮比9.5、ネット46/6100、最大トルク6.2/4000、燃料タンク40L
1990〜1993に採用されたNAエンジン、新開発のDOHC EFI 12バルブを採用しEFIでAT車専用となった。
EF-TS型660cc 3気筒 水冷4サイクル
SOHC6バルブEFI
インタークーラー ターボチャージャー
排気量659cc、圧縮比8.3、ネット64/6000、最大トルク8.8/4000、燃料タンク40L
1994〜1996に採用されたEFIターボエンジン、6バルブであるがアトレー用にセッティングされている。性能曲線
EF-RS型660cc 3気筒 水冷4サイクル
DOHC12バルブEFI
インタークーラー ターボチャージャー
排気量659cc、圧縮比8.5、ネット64/5900、最大トルク10.0/3500、燃料タンク40L
1997〜1998に採用されたEFIターボエンジン、DOHC化されトルクが太くなった。セッティングとしてはAT向けとなっている。性能曲線

最終減速比
EF-TS型 ターボ (1994〜1996)EF-RS型 ターボ (1997〜1998)
5MT 2WD3AT 2WD5MT 4WD3AT 4WD5MT 2WD3AT 2WD5MT 4WD3AT 4WD
5.5715.5715.8575.5715.5715.2855.5715.285
EF-ES型 NA (1994〜1995)EF-GS型 NAEF-ZS型 NAEF-GS型 NAEF-ZS型 NA
5MT 2WD3AT 2WD5MT 4WD3AT 4WD5MT 2WD3AT 2WD5MT 4WD3AT 4WD
6.2856.6666.6666.2856.666

ギア比
EF-TS型 ターボ
 (1994〜1996)
EF-RS型 ターボ
 (1997〜1998)
EF-ES型 NA
 (1994〜1995)
EF-GS型 NA
 (1996〜1998)
EF-ZS型 NA
 (1996〜1996)
EF-ZS型 NA
 (1997〜1998)
5MT3AT5MT3AT5MT3AT5MT3AT3AT
1速4.0592.7283.7692.8004.0592.7284.0592.7282.800
2速2.3891.5362.3891.5402.3891.5362.3891.5361.540
3速1.6361.0001.6361.0001.6361.0001.6361.0001.000
4速1.0001.0001.0001.000
5速0.8380.8380.8380.838
後退4.1282.3334.1282.3334.1282.3334.1282.3332.333
副変速機高速1.0001.0001.000
副変速機低速1.7821.7821.782
タイヤ165/70R13 79S (下記以外)
155SR12 6PRLT (MXターボ、天晴ターボのABS無)
145SR12 6PRLT165/70R13 79S (RTのみ)
145SR12 6PRLT (RT以外)
145SR12 6PRLT
燃費 10・15モード km/L2WD 15.0
4WD 15.0
2WD 13.8
4WD 13.8
2WD 14.6
4WD 14.6
2WD 14.4
4WD 14.0
燃費 60km/h定地走行燃料消費率 km/L2WD 26.6
4WD 25.2
2WD 20.5
4WD 20.5
2WD 26.3
4WD 24.5
2WD 20.5
4WD 19.4
2WD 25.0
4WD 25.0
2WD 20.5
4WD 19.4
登坂能力 tanΘ2WD 0.53
4WDマルチセレクト 0.65
4WD副変速機付 0.85
2WD 0.57
4WD 0.83
2WD 0.50
4WD 0.83
2WD 0.45
4WD 0.85
2WD 0.53
4WD 0.59
2WD 0.50
4WD 0.51
2WD 0.53
4WD 0.85
2WD 0.50
4WD 0.83
まとめ
 5年間の間に結構バリエーションがあって、フロントマスクだけでも最初のノーマル、RVブームの時に出たRT、リバーノ専用のフロントガーニッシュ、クラシックと4パターンあります。ハイゼットはマイチェンで一部グレードがアトレー顔になり、isシリーズのデコトラ顔がある。
 ワゴンR、ムーヴ等のデビューにより販売台数が激減し、ライバル車でもラインナップを整理するなど1995年以降は販売面で苦戦した。
 バブル直後の高級感のあるリバーノ系から、RVブームに沿ったRTシリーズ、クラシックブームに沿ったクラシックシリーズ追加など販売促進のラインナップ充実を行っている。
 初期は5MTが良く出たが中期から3ATが販売の主力となり、5MTは受注に近い生産と移行していきました。
 マイナーチェンジ毎に装備の簡略化などコストダウンが計られ目に見えてわかるのが残念。
 基本設計はS100系登場時に大幅変更された影響で静粛性、剛性アップなどにより次世代のS200系は殆どの設計をS100系のキャリーオーバーで作成されたそうです。
 S200系は衝突安全性能を上げただけで殆どS100系と中身が同じなわけですね。


 
押しても戻らない場合はブラウザのBackをご使用ください。
検索ページ等で直接来られた方はここをクリックしてください。

このページの文章画像等を無断で転載、引用はご遠慮願います。
Copyright(C) アトレークラブ All Rights Reserved.